明治から昭和にかけての落語家「古今亭志ん生」の「名言」と「伝説的逸話」を網羅する記事をご用意いたしました。
これを読めば、「古今亭志ん生」について、数分で詳しくなれます。
落語名人「古今亭志ん生」・・・実は元々才能があるタイプではなかった!
「ビートたけし」も愛した「古今亭志ん生」の、優しさあふれる名言の数々
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この記事を短く言うと
- 「古今亭志ん生(ここんてい しんしょう)」さんとは、「明治」から「昭和」にかけて活躍した天才「落語家」。
- 志ん生さんには、優しさと励ましにあふれる名言が、数多く残っている
- 古今亭志ん生さんは、決して天才というわけではなく、努力を積み重ねてきた人物なのではないか
古今亭志ん生とは何をした人?ビートたけしも憧れた落語の名人!
古今亭志ん生(ここんてい しんしょう)
1890年(明治23年)誕生。1973年(昭和48年)死去
戦後の東京落語の名人。下町生まれで下町育ちの「ビートたけし」が幼い頃から憧れたのが「古今亭志ん生」さんです。
2019年大河ドラマのナレーションは、ビートたけし演じる「古今亭志ん生」が行っていますね。
古今亭志ん生の孫が、女優の「池波志乃」さん。池波志乃さんといえば俳優「中尾彬」さんの奥様です。
古今亭志ん生・名言集
落語の名人「古今亭志ん生」さんが残した「名言」を、まとめて一覧でご紹介致します。
貧乏に苦しみながら、今になんとかしてやると希望を持って生きていくところに、また言うに言われぬ面白みがあるもんですよ。
苦しい時代も、過ぎてしまえば楽しい思い出。今苦しくても、負けずに頑張れ!という古今亭志ん生さん励ましの言葉ですね。
上の者にかわいがられて引き上げてもらったって、それは自分の力じゃない。
八方敵だらけになって爪弾きにされてもいい、自分の力で上がってゆこうと思った。
「男なら、こびをうるのではなく、自分の芸で勝負しろ」ということですね。芸人だけではなく、世の中には数多くの「一発屋」がいますが、自分の腕を磨かないと、誰でも一発屋で終わるぞ!という警鐘かもしれません。
本当に芸に一身をぶち込んでやれば、 眼のある人はきっと見てくれます。
誰もみていない!誰も褒めてくれない!
だからといって腐るな!という励ましですね。古今亭志ん生さんの言葉には、優しさがあふれている気がします。
噺家(はなしか)になれ!!扇子一本でどこだってメシが食えらあ!
自分の職業である「噺家(はなしか)」に誇りを持っている一言。つまりは「自分自身に誇りをもて」という意味かもしれません
他人の芸を見て、あいつは下手だなと思ったら、そいつは自分と同じくらい。
同じくらいだなと思ったら、かなり上。
うまいなあと感じたら、とてつもなく先へ行っている。
調子に乗らず、自分をいつも戒めて、修行を怠るな!
という注意の言葉なのでしょうね。
貧乏ってのは、するもんじゃねえ。
「たしなむ」もんです。
「貧乏はするもんじゃありません。味わうものですな」
これは『びんぼう自慢』という先程の自伝の本で紹介されていた言葉です。貧乏を「自慢」できるようになるんですから、まさに名人芸です。
貧乏なままであきらめてはいけない。貧乏だった頃を、いつか自慢して笑いにできるよう、今頑張って出世しろ!という、隠れたエールが聞こえてくる名言です。
酒がいちばんいいね。
酒というのは人の顔色をみない。
貧乏人も金持ちも同じように酔わしてくれるんだ。
あいつは酔わせないよ、なんて言わねえとこがいい。
眼鏡で見られ続けた古今亭志ん生さんの苦労が読み取れる名言です。
人はいつか離れていく。そんなときは酒を飲んで、寂しさを紛らわせればいいじゃないか
という、古今亭志ん生さんの優しい言葉が聞こえてきそうです。
ものごとっていうのは、
嬉しい事が起きる前には
必ず心配事や悲しいことが起こるもんなんですよ。
今、哀しいことが起こっても、気落ちしないで、良いことがもうすぐおこるから。と、志ん生さんが優しく教えてくれている気がします。
「出世をしようの、いい真打ちになろうのという考えは無い。ただこれが好きなんで、はなしを覚えた」
野心などなく、ただただ好きなことをしていたら、歴史に名を残す名人となれた・・・ということでしょう。「欲」だけでは、長続きしない。自分の仕事の中で、好きなことを見つけて邁進しなさい・・・・という意味なのかもしれません。
寄席は学校じゃねぇんだ。間違えたって、直したりしちゃいけねぇ。そのまま通しちまうんだ。
志ん生さんは、落語の登場人物の名前を間違えても、そのままの名前で通して話したと言われています。
間違えて話を辞めてしまった落語家もいるなか、志ん生さんはそんなこと気にせず通したのだとか。
小さな失敗にくよくよするな!という意味かもしれません。
芸人てえのはな、売れてるときはわがままでいいんだ。売れなくなったら、いくら八方美人をしていても捨てられる。
芸人は、いつまでも売れ続けることは難しいから、売れているうちにわがままを通そう。という意味なのでしょうか。
売れなくなったら、いくらジタバタしても捨てられる。だから必死に芸を磨け・・・と教えてくれているのかもしれません。
腹の虫てぇ奴はえらいもんで、食べ物だけじゃなく、何でもちゃんと知ってやがる。
腹の虫は、空腹や怒りだけではなく、緊張や調子などもしっかりと教えてくれる。自分の身体の声に耳を傾けよう
あたしはちょうど、うちにおったなめくじみたいに、切られようが突かれようがケロンとして、ものに動ぜず、人に頼らず、ヌラリクラリと、この世の中の荒海をくぐり抜けて、やっとこさ今日まで生きてきたんですよ。
たとえ誰から何をされ、何を言われようと、柳に風と受け流し、ナメクジみたいに生きていけば、なんとか生きていけるものだよ。
これも志ん生さんから後輩たちへの、励ましの言葉なのでしょうね。
世の中に女ほどしょうのないものはありません。
やさしく言えば図にのぼせる、
小言を言えばふくれる、
叩けば泣く、
殺せば化けて出る。
「殺せば化けて出てくる」・・・一流のオチですが、女性に振り回されるな!という戒めなのかもしれません。
伝説的な逸話集!いい加減に見えても、芸に嘘はなかった!
古今亭志ん生さんといえば、いい加減な人・・・という逸話が数知れずある人です。
・客が気に入らないやつだったら、適当な話をきかせてとっとと帰ってしまった。
・気分がのらないと、約束の時間を守らずに、高座からさっさと帰ってしまった。
・酔っぱらった状態で高座に上がって話し始めた
・遅刻した
・独演会をすっぽかした
などなど。
しかし、噺家の仲間からは、やはりかなりの高評価を受けているのが「古今亭志ん生」さんなのです。
「この相手には、ズボラで良いのか悪いのかを、しっかりと心得た上でズボラをするのが、古今亭志ん生だった」
「いいかげんだったわけじゃなく、いいかげんに見せる技術がすごかった」
つまり馬鹿だったわけではなく、馬鹿になれる人だったということでしょうね。
志ん生さんと長く付き合った「六代目・三遊亭圓生(えんしょう)」さんは、古今亭志ん生さんについて、こんなことを言っています。
「人間はズボラだったが、芸にウソはなかった」
「志ん生の芸は傷だらけ。その芸も完璧なものじゃなかったわけで、人間描写もいい加減なところがあった」
つまり、志ん生さんという人は「ズボラ」だったけど、「芸」に対する姿勢だけは、本気だった!ということでしょう。
時間に遅れるわ、酔っ払ってくるわ、とっとと高座を降りてしまうわ、それでも「名人」として落語界にその名を残した理由は、やはり「芸」に対してだけは嘘をつかず、真剣に取り組んだからなのでしょう。
『古今亭志ん生』について「ひとこと」言いたい!
古今亭志ん生さんは、果たして「天才」だったのでしょうか?
当然、今もその名を語り継がれる程の人ですから、「天才」「名人」と呼ぶにふさわしい人なのかもしれません。
しかし、個人的には「天から才能を与えられた天才」ではなく、修行や練習によって、その素晴らしい技術を身につけた人なのではないでしょうか。
三遊亭圓生さんや、その他の噺家(はなしか)の方々が、志ん生さんについて、こんなことを言っています。
「売れるとは思えない芸をやる人だった」
「話は決してうまくはなかった」
「喋り方がとてもはやかった。さっぱり間がとれていない」
短所を次々と指摘されています。
つまり、若い頃から抜きん出た人物だったわけではないということでしょう。
古今亭志ん生さん。
天才ではなく、積み重ねてきた練習で、その地位を作り上げた人。
天才芸人「松本人志」に対して、後輩の「今田耕司」さんが
「あの人は努力の人」「天才という感じではない」
と言っていましたが、志ん生さんも同じなのかもしれません。
そう考えると、なんとなく、勇気が湧いてくる気がします。「自分にもできる」と思える気がしてきますね。
まとめ
本日の記事をまとめますと
- 「古今亭志ん生」とは、明治から昭和にかけて活躍した、噺家(はなしか)、落語家のこと
- 「志ん生」さんの名言は、後世の人間を励ますかのような内容のものが多い
- 周囲の方々の証言を聞いてみると、志ん生さんは、「天才」というわけではなかったらしい
以上となります。
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ありがとうございました
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