ペリー率いる「黒船」の来航がきっかけで締結された「日米和親条約」とは、どのようなものだったのでしょうか?
200年も続いた「鎖国」を終わらせたこの「条約」の「内容」と「意味」を、わかりやすく解説いたします。
この後に締結された「日米修好通商条約」と何が違うのか?
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この記事を短く言うと
・『日米和親条約』とは、アメリカの「船の支援」と「アメリカ人の救助」の約束を主とする友好条約
・欧米諸国の圧力を感じていた日本は、和親条約を締結した
・「日米和親条約」は、あくまでも「アメリカの船への支援」と「友好」が目的。対して「日米修好通商条約」は「貿易」が目的
「日米和親条約」とは何か?世界一わかりやすく短く解説
日米和親条約とは何か?
東インド艦隊司令長官「マシュー・ペリー」の来日により「1854年3月31日」、日本とアメリカの間で結ばれた条約
この条約の内容を短く言ってしまうと
「日本とアメリカの間で締結された『仲良くしましょう』という条約」
あまりにざっくりしすぎていますが、「和親」とは、「仲良くする」という意味。
条約の第一条には
「日米両国・両国民の間には、人・場所の例外なく、今後永久に和親が結ばれる。」
と定められています
勿論「仲良くしましょう」だけではなく、この条約の目的は「アメリカ商船や捕鯨船への補給」というものでした。
なぜ日米和親条約を締結したのか?
なぜ日米和親条約を締結したのか?
日本にもアメリカにも、双方ともに事情がありました。
日本の思惑
日本は、欧米諸国の圧力をかわすことが「日米和親条約」締結の狙いでした。
当時、日本の隣にあった強国「清国」。その清が「アヘン戦争」で欧米諸国に敗北。日本は欧米諸国の強さをヒシヒシと感じていました。
この頃の世界最強国は「イギリス」・・・「フランス」「ロシア」がそれに継ぐという状況。
「イギリス」「フランス」「ロシア」が、日本へ徐々に圧力をかけてきていたのです。
そんな中で、アメリカが日本へ開国を求めてきました。
アメリカは当時、まだイギリスから独立したばかりの新興国
しかも「南北戦争」で内乱状態・・・イギリスやフランス・ロシアに比べたらアメリカは、日本にとって交渉しやすい弱小国だったのです。
そんなアメリカと「日米和親条約」を締結することにより開国し、イギリスなどの圧力をかわすことが、日本の「条約締結」の目的だったというわけです。
アメリカの思惑
アメリカは当時、まだまだ新興国であり、貿易ルートを模索していた状況でした。
そんなアメリカが重視したのが、4億人の人口をかかえる巨大市場「清」
しかしアメリカから「上海」は、かなり遠く、途中で補給が必要でした。交易ルート上にあり、補給基地としてピッタリだったのが「箱館」
更に、アメリカは「捕鯨」を積極的に行っていたため、その補給基地も必要としていました。
その上、アメリカの「漂着民」救助について、日本へ協力を要請。
アメリカにとって日本は「交易」「捕鯨」の補給、そして「漂着民救助」のため、必要なパートナーとしてピッタリだったのです。
これにより、アメリカは日本で「燃料」や「水」「食料」を補給することを可能としたのでした。
「日米和親条約」と「日米修好通商条約」の違いとは?
「日米和親条約」が締結された4年後、今度は「日米修好通商条約」が締結されます。
この2つの条約、一体何が異なるのでしょうか?
簡単に言えば、「日米和親条約」は「仲良くしましょう」と約束し、更に「貿易船や捕鯨船への補給」などを約束した条約でした。
対して「日米修好通商条約」は、「貿易を行うにあたり、そのルールを定めた条約」
「日米和親条約」は、あくまでもアメリカによる「清国」というビッグマーケットへの「貿易ルート確保」のためのもの。
しかしアメリカにとって、中国だけではなく日本とも貿易出来たら、アメリカの利益は更に増えるでしょう。
そのため、日米和親条約で日本へ総領事として赴任していた「ハリス」は、日本へ「通商条約」の締結を強く求めたのです。
ただ、「日米和親条約」と「日米修好通商条約」にも、共通点はあります。
それは、両方とも「不平等条約」であったということ。
「日米和親条約」では「片務的最恵国待遇」、つまり日本はアメリカに「最高の待遇」をしなくてはならなかったのに対し、アメリカは日本に「最高の待遇」をする義務がありませんでした。
「日米修好通商条約」では、アメリカの「領事裁判権」が認められ、さらに日本には「関税自主権」がなかったのです。
この不平等条約は、改正するまでに「60年」もの長い時間がかかってしまいます。
1911年、日露戦争に勝利した日本は、ようやく「列強国」として認められたわけですが、この時はまだ「国」としてはっきり認められていない状況だったのです
まとめ
本日の記事をまとめますと
・日米和親条約とは「日本とアメリカの友好を約束」した条約
・日本は諸外国の圧力をかわすために・・・・アメリカは日本から「補給」をうけるために条約を締結
・日米和親条約は、あくまでも「友好」が目的、日米修好通商条約は「貿易」が目的の条約
以上となります。
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