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新渡戸稲造の著書『武士道』とはどんな本?内容を簡単に要約してみた

新渡戸稲造が記した世界的大ベストセラー「武士道」の内容が、この記事を読めばすぐわかる!

作家「新渡戸稲造」。

その最大の功績は、名作「武士道」を記して、世界に「日本」を紹介したこと。

内容は「武士」とは何か?を、西洋の偉人や出来事を例に上げて解説するものなのです。


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歴史専門サイト「レキシル」にようこそ。

拙者は当サイトを運営している「元・落武者」と申す者・・・。

どうぞごゆっくりお過ごしくださいませ。

この記事を短く言うと

  1. 新渡戸稲造」が残した書「武士道」は、日本人の価値観などを解説する「ガイドブック」だった。
  2. 「武士道」は、「義」「勇」「仁」「礼」「名誉」「忠義」「切腹」「刀」などを、わかりやすい例をつかって解説している
  3. アメリカ大統領「セオドア・ルーズベルト」「ジョン・F・ケネディ」らも「武士道」を愛読していた

新渡戸稲造の「武士道」は、英語で出版された日本人ガイドだった

新渡戸稲造(にとべ いなぞう)

《新渡戸 稲造》
「引用元ウィキペディアより」

「新渡戸稲造」といえば、「樋口一葉」の前に「5000円札」の肖像画をつとめていた人ですね。

その「新渡戸稲造」の最大の功績といえば、名作「武士道」という本をしるしたことでしょう。

では、そもそも「武士道」とは、どういう本なのでしょうか?



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「日本人は、宗教教育を受けていないようだね。だったら、どのようにして道徳教育をうけているのだね?」

新渡戸はある日、ベルギーの法学者「ラブレー」氏から、このように尋ねられました。彼はその質問にとっさに答えることができなかったのです。

また、彼の妻でアメリカ人の「メアリー」は、たびたび新渡戸にたいして

「どうして日本人は、このような選択をするのか?」

という質問を投げかけていました。

新渡戸はある日、「ラブレー」氏の疑問と、妻「メアリー」の質問に答えることを決意。「武士道」を記すことで

「日本人の価値観と道徳は、どのようなものなのか」

を解説しようとしたのです。

書籍「武士道」は、1900年に「英語」で出版されます。日本語に翻訳されて出版されたのは、その数年後です。

「武士道」はあくまでも「外交人向けの日本人ガイドブック」だったのです。



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武士道の内容を、世界一カンタンに要約しました

「武士道」は、おもに「17」の章により構成されています。

それぞれの章で「武士道」の起源や内容、そこから現在の読者が得られる教訓などを記しています。

「義」「勇」「仁」「礼」「名誉」「忠義」「切腹」「刀」など、武士をかたちづくる要素を、かずかずの例をあげて解説しているのです。ここでは、それぞれの章を、きわめて短く要約してかいせついたします。

 

1章「武士道とは、何か?」

「武士道」とは、すなわち武士が生涯守り続けなくてはならない「おきて」のこと。

 

2章「武士道は、どこから生まれたものなのか?」

武士道は「仏教」「神道」「孔子」「孟子」などの教えが混ざり合って出来上がった思想。

 

3章「義とは?」

「義」とは、義理・義務など、我々が無条件にしたがうべき「正義の道理」のことである。それはまるで「親」が「子」を育て諭し導く義務があるかのごとく。



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4章「勇とは?」

「勇気とは、正しいことをすることである」。「義を見てせざるは勇なきなり」という言葉通り、義を果たすことを「勇」と呼び、「勇」と「義」は、双子のように互いを支え合う関係である。

 

5章「仁とは?」

「勇」が高みに達すると、それは「仁」となる。「仁」とは「他者への同情」「あわれみ」「慈悲の心」。「仁」とは民を統治するものが持つべき最高のもの。「武士の情け(武士の優しさ)」とは、すなわち「仁」である。

 

6章「礼とは?」

「礼」とは他人への「思いやり」を、目に見える形で表現することである。「礼」の最高の姿は「愛」。



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7章「誠とは?」

真のサムライは、「誠」に対して非常に強い敬意を表する。サムライは「二言」を嫌い、約束は口ですませて、ほとんど守られた。約束を文書にすることを嫌うほど、武士は誠と約束を重んじた。

 

8章「名誉とは?」

サムライは「名誉」を重んじ、笑われることや侮辱されることをつよく嫌った。侮辱した相手を殺害することもあるほどだ。「名誉」とは武士にとって「最高の善」なのである。

 

9章「忠義とは?」

「忠義」とは、「主君」に対して絶対的にしたがうこと。しかしそれは「こびを売ってへつらう」ことや「奴隷」となることではなく、主君が間違いを犯そうとするとき、それを正すことである。もしそれにしくじれば、命を失うことを、武士は覚悟しなくてはいけない。

 

10章「武士が学ぶことと、己をみがくこととは?」

武士は「智 仁 勇」を身につけるため「剣術」「弓術」「柔術」「馬術」「槍術」「戦略」「戦術」「読書」「道徳」「文学」「歴史」などを学ぶ。そして「金銭」を汚いものとして極端に嫌う。

サムライは「精神力」を鍛え、「自制心」を身につけるために、訓練に訓練をかさねるのである



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11章「人に勝ち、おのれにも克つために」

サムライは感情を顔に出さない。寡黙・沈黙がよしとされた。なぜなら感情を表に出すことは、他者を不愉快にするものだからだ。そのため、武士は身内を亡くした直後でも、笑顔すら浮かべて友をむかえる。他者に勝利するためには、みずからの感情に勝利することが必要であると考えられている。

 

12章「切腹とは?」

切腹とは、ただの「自死」ではない。それは「儀式」であり、武士がおのれの「罪」をつぐない、謝罪し、「不名誉」を逃れ、命を捨ててみずからの「誠」を証明する方法だった。切腹の儀式を見事に終わらせることは、「名誉」でさえあった。しかしそれが原因で、武士は「切腹」にあたいしない理由で切腹し、軽々しくみずからの命を捨てたこともあった。

 

13章「刀とは?」

刀を持つことは、自尊心と責任感をサムライに抱かせる。刀は武士にとって「忠誠心」と「名誉」の象徴なのだ。刀への不敬と侮辱は、サムライ本人への侮辱となる。とはいえ、むやみに刀を振り回すものは軽蔑され、名誉を失う。勝海舟は、何度も暗殺の危機をむかえたが、「殺されても殺さず」と誓い、生涯かけて「刀」を抜くことはなかった。

 

14章「武士道が求めた女性の理想像」

女性が「夫」「家」「家族」のために、自分の命をあけわたすことは、名誉であるとされた。女性は夫のために自分自身を捨て、それによって夫は、「名誉」を得ることができた。そして武士社会では、必ずしも女性は「軽視」されていたわけではない。



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15章「大和魂とは?」

サムライは民族の理想となった。「花は桜木 人は武士」とうたわれるほど。武士道は、日本人の「エリート」を意味する憧れの的となった。武士道に到達できないものも日本人の魂、すなわち「大和魂」という、この国独特の魂をその身に宿すこととなった。「大和魂」は「桜」のように、美しく、気品があり、優雅で、毒もトゲもない。派手な色でもなく、淡い。香りも弱い。そして、儚く散り、永遠にその姿を消してしまう。大和魂とは、そんな「桜」のようなものなのだろう。

 

16章「武士道はよみがえるのか?」

1900年現在、武士道は衰退してしまった。それでも今も日本人の心に根付いている。とはいえ、武士道が衰退するであろう予兆が、すでに出始めている。

 

17章「武士道から何を学ぶ?」

武士道は衰退の道を進んでいる。しかし武士道が教える「名誉」「勇気」「徳」などを守り抜き、それをもって人生を生きる義務が、現在の人々にはあるのではないか。不死鳥とは、みずからの灰のなかからのみ復活し、決してよそから飛んでくるのではない。武士道は一つの道徳や掟としては滅びるかもしれないが、その力が消さることは決してない。たとえ遠い未来で武士道の精神が忘れ去られたとしても、桜の残り香のように、必ずどこからか漂ってきて、見事に復活するだろう。



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「武士道」を読んだ人達がスゴイ!アメリカ大統領も熱中した名作!

この「武士道」という本は、世界中で時代を超えて読まれた、まさに名作と呼んでいい代物でしょう。

愛読した人として有名なのは、アメリカ大統領「セオドア・ルーズベルト」と、同じく米大統領「ジョン・F・ケネディ」。

特に「セオドア・ルーズベルト」は、武士道を読んで日本に好感を抱いたらしく、日本とロシアの間で起こった「日露戦争」の講和を仲介してくれました。

ルーズベルト大統領は、駐露アメリカ大使にロシアの「ニコライ皇帝」を説得させ、「南樺太の割譲」を約束させるなど、日本に対して友好的な活動をしてくれています。

また、「ジョン・F・ケネディ」も「武士道」を愛読し、その中に登場する名君「上杉鷹山」を尊敬していました。

新渡戸稲造の「武士道」。間接的に「日本の国益」を守る働きもしてくれた、名作と言っていいのではないでしょうか。



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『武士道』について「ひとこと」言いたい!

現在の日本人は、「武士道精神」を持っているのでしょうか?

ご存知のとおり、現在の日本人は、武士道精神を失ってしまっています。ほとんど99%をなくしてしまったと言っていいでしょう。

そもそも「武士道とは何なのか」を答えることができる人など、数えるほどしかいないでしょう。

中には「葉隠」という本に書かれた名文句

「武士道とは死ぬこと」

何ていう人もいるかもしれません。

しかし、新渡戸は著作「武士道」で、「意味のない死」を徹底的に批判しています。

「『名誉』を得る簡単な手段として、軽はずみに死を選ぶべきではない」

と・・・。



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新渡戸は「武士道」の中で

「義を守り、勇敢であり、礼をわすれず、思いやりをもち、忠義をまっとうし、名誉を重んじて、誠を尽くす」

ということを主張しています。

現在の日本人に、これらが備わっているのでしょうか?

周辺諸国から「戦争犯罪国」と呼ばれ、ありもしない「人権侵害」を非難されて、やってもいないことを謝罪し、領土領海をおかされても「遺憾」を連発し、国民を「拉致」されても「救出」もできず、戦勝国アメリカから渡された「憲法9条」という「自分自身を縛る縄」を大切にし続けている。

挙句の果てには、日本を守るために亡くなった「英霊たち」をまつる「靖国神社」に、日本の「内閣総理大臣」が参拝することすらできなくなっているのです。

これでは「武士道精神は滅びた」と言われても、反論できません。

失われた武士道を取り戻す。そのために、今「新渡戸稲造」の「武士道」をもう一度見直すべきなのではないでしょうか。

「武士道は、いつか必ず復活する」

新渡戸稲造は、書籍「武士道」のなかで、そう予言しています。

今こそ、その時なのかもしれません。



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まとめ

本日の記事をまとめますと

  1. 書籍「武士道」は、日本人の「価値観」や「選択の基準」を、数々のわかりやすい例をつかって解説している「日本人のガイドブック」のような本。
  2. 「武士道」は、武士の要素である「義」「勇」「仁」「礼」「名誉」「忠義」「切腹」「刀」などを解説している。
  3. アメリカ大統領「セオドア・ルーズベルト」「ジョン・F・ケネディ」なども、「武士道」を愛読し、強く影響されていた

以上となります。

本日は「レキシル」へお越し下さいまして誠にありがとうございました。

よろしければ、また当「レキシル」へお越しくださいませ。

ありがとうございました

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