皆さんは濃姫(または帰蝶)を、ご存知でしょうか?
この記事の内容を簡単にまとめますと以下のとおりです。
- 濃姫とは、美濃国から来たお姫様という意味のあだ名
- 帰蝶とは、彼女の本名だが、正式には胡蝶だという説がある
- 濃姫でも帰蝶でも、どちらで呼んでも間違いではないが、濃姫という呼び方の方が一般的
織田信長の正室は、一般的には『濃姫』や『帰蝶』として知られています。
濃姫と帰蝶は、同一人物です。
彼女には、さまざまな呼び名が存在します。
- 濃姫
- 帰蝶
- 於濃
- 安土殿
などです。
特に注目されるのは、濃姫と帰蝶という二つの代表的な呼び名です。
なぜ彼女には、これほどまでに異なる呼称が存在するのでしょうか?
また、これらの呼び名を使い分ける必要性はあるのでしょうか?
この記事では、彼女の名前にまつわる様々な謎をご紹介いたします。
【濃姫】と【帰蝶】の違いとは?
【濃姫】について
濃姫とは、彼女の出身地である美濃国の一文字をとって、つけられたあだ名です。
まずは、広く使用されている濃姫という呼称について考えてみましょう。
濃姫とは、彼女の本名ではないのです。
彼女は美濃(現在の岐阜県南部)の出身です。
そのため
美濃から尾張(愛知県西部)の織田信長のもとへ嫁いできたお姫様
という意味で、美濃から濃の一文字をとって、濃姫と呼ばれたのです。
言いかえれば、これは一種の通称、つまりはあだ名のようなものです。
この通称が一般的に広まり、結果的に彼女は濃姫として知られるようになったわけです。
または濃のまえに於の一文字をつけて、丁寧に於濃と呼ばれる場合もあるようです。
【帰蝶】について
実は帰蝶という名前は、胡蝶という名前の書き間違いで、正式な名前は胡蝶なのではないかという説があります。
もう一つの呼称である帰蝶についても考察してみましょう。
この帰蝶という名前は、美濃国諸旧記という軍記物に登場しています。
しかし別の史料である武功夜話では、胡蝶と呼ばれています。
- 帰蝶
- 胡蝶
どちらも響きが似ていますが、帰蝶というのは、胡蝶の書き間違いではないかと指摘されています。
つまり胡蝶という名前が正しくて、帰蝶は間違いというわけです。
胡蝶とは、蝶々の別の呼び方で、源氏物語の巻名や胡蝶の夢という説話にも使われる、当時から一般的な言葉なのです。
ただし、帰蝶でも胡蝶でも、これらの名前が彼女の本名なのか、あるいは通称なのかは、依然として分かっていません。
二つの名前を使い分ける必要性とは?
結論からいえば、どちらの名前で呼んでも構わないと思います。
濃姫・帰蝶ともに、彼女の正確な名前かどうか、はっきりしていません。
現状では確実な正解が存在しないので、好みに応じて名称を選んで問題ないでしょう。
ただ、濃姫という名前は、あくまでも信長の住む尾張へ嫁入りしたあとの名前なので、嫁入り前の彼女のことは帰蝶や胡蝶と呼ぶべきなのかもしれません。
一般的には濃姫が広く使われています。
ドラマやゲームでも、ほとんどが濃姫という名前で登場しています。
1983年の大河ドラマ【徳川家康】では、於濃と呼ばれていました。
一方で、帰蝶はそれほどメジャーではありません。
帰蝶といっても、戦国時代にくわしい人でないとわからないかもしれません。
また、織田信長が亡くなったときに彼女は、信長の居城・安土城に住んでいたためか、安土殿と呼ばれていたという説があります。
帰蝶または胡蝶の方が、なんとなく響きが美しいので、個人的には好みです。
あるテレビゲームで、濃姫が死の間際に、自らの帰蝶という名前にあやかって
「蝶になって帰るわ。あの人(信長)のもとへ」
とつぶやくシーンがありました。
個人的な話で申し訳ないですが、そのゲームで遊んで以来、筆者は帰蝶という名前がとても好きになりました。
その帰蝶こと濃姫には、謎が多く、本能寺の変で織田信長とともに戦死したという説もあります。
→→→→→【濃姫は信長の死後に再婚したのか?】についてくわしくはこちら
まとめ
本日の記事をまとめますと
- 濃姫とは、美濃国から来たお姫様という意味のあだ名
- 帰蝶とは、彼女の本名だが、正式には胡蝶だという説がある
- 濃姫でも帰蝶でも、どちらで呼んでも間違いではないが、濃姫という呼び方の方が一般的
以上となります。
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