皆さんは枕草子を、ご存知でしょうか?
この記事の内容を簡単にまとめますと以下のとおりです。
- 枕草子とは、清少納言という宮廷につかえていたキャリアウーマンが記したブログやつぶやきのようなエッセイ集
- 枕草子は、類聚章段・随想章段・回想章段の3段にわかれている
- 枕草子の名前の由来は、「四季を枕ことばにして記した本」という意味だという説がある
今回紹介するのは、枕草子という文学作品です。
これは、平安時代の代表的な女流作家である清少納言によって書かれました。
1000年以上が経過した今でも、多くの人々に広く知られています。
この作品はしばしば清少納言の「自慢話」とも呼ばれることがありますが、その背後に隠れた彼女のセンスには、一筋の光が差しています。
今回は、この作品について以下の点を詳しく探ってみたいと思います。
- 『枕草子』という名前の由来
- 有名な冒頭部分の内容
- 教科書に頻繁に登場する主な箇所の内容
このような視点から、作品をじっくりとご紹介していきますので、ぜひ注目してください!
枕草子の内容を簡潔にわかりやすく解説
枕草子とは、いってみれば、清少納言という宮廷につかえていたキャリアウーマンが記したブログやつぶやきのようなエッセイ集です。
そのため、記されていることは、同時代に誕生した紫式部の「源氏物語」のようなストーリーではありません。
ただ、清少納言が好きなものや嫌いなものについて記されているのですが、それが現代人にも共感できる内容なのです。
「1000年前の芸能人も、こういうものが好きで、こういうものが嫌いだったんだなぁ」と、まるで昔の芸能人が残した「ツイート」や「ブログ」を読んでいるような感覚になる、本当に傑作です。
まずは枕草子の内容を、簡単に解説いたします。
内容は、3つの段にわかれています。
3つの段の内容
『枕草子』は、以下のような章立てで構成されています:
- 「類聚章段」:標題に基づいて適切な対象を集めた段
- 「随想章段」:日常生活や自然観察に基づいた段
- 「回想章段」:清少納言がつかえていた中宮・藤原定子の周辺における宮廷生活を振り返った段
冒頭を簡潔に解説
ここで紹介する冒頭部分は、先ほど紹介した3部のうち、「随想章段」に属するとされています。
しかし、枕草子の分類はとても曖昧で、今も異論があります。
これは冒頭部分が以下の理由から、「随想章段」に属するとされる一方で、議論が生じる要因となっています:
- 四季折々の自然を観察して書かれたものであること
- 清少納言にとってそれぞれの四季にふさわしいものを紹介する形でも書かれていること
それでは、この冒頭部分の具体的な内容を見ていきましょう。
随想章段
まずは自然現象をとりあげる随想章段を解説いたします。
この章では、春夏秋冬において、それぞれの季節でどのような光景・場面がもっとも美しいのかが語られています。
春はあけぼの
冒頭部では、それぞれの季節の特徴的な時間帯や風景が紹介されています。
まずは、春の描写から見てみましょう。
“春はあけぼの。
少しずつ明るくなり、山々が淡い色に染まり、空には薄紫色の雲が優雅に漂っている。”
この文章では、春は明け方がもっとも美しいと述べられており、徐々に明るくなる様子や山々の淡い色合い、そして空に広がる薄紫色の雲が描写されています。
“山ぎは(山ぎわ)”は、山に隣接する空を指します。
このように枕草子は、清少納言が好きなものや嫌いなもの、美しいと思うものやダメだと思うものなどが、まるでX(旧・ツイッター)のつぶやきのように記されているのです。
夏は夜
夏は夜がもっとも美しい、と述べています。
満月の夜はもちろん
- 新月の夜も、たくさんのほたるが舞い上がっている様子が魅力的
- 一つや二つのほたるがほのかに光って飛んでいく様子も素晴らしい
と表現されています。
また、夜に雨が降るのも趣があります。
秋は夕暮れ
秋は夕暮れが特に美しい時期です。
夕日が山の端に近づくと、からすが寝床へと急いで飛び去る姿が、三羽や四羽、あるいは二羽や三羽といった群れで舞い上がる様子は、見ていて感慨深い。
また、雁などが一列になって飛んでいるのが非常に小さく見えるのも、なんとも言えない美しさがあります。
日が沈んでからの風の音や虫の声なども、静かで落ち着いた雰囲気を醸し出します。
冬はつとめて
冬は、特に早朝が魅力的です。
「つとめて」とは、早朝のことを指しています。
雪が降っている日はもちろんのこと、霜が白く広がる日も美しいとされています。
寒さが厳しい中、火を急いでおこし、炭を使って温まる光景が、冬の風物詩です。
しかし、昼になると暖かさが戻り、火の中の灰が白くなり、寂しい気持ちになります。
次の部分では、『枕草子』の冒頭以外の重要なパートについて掘り下げていきます。
類聚章段
前述の通り、『枕草子』は大きく3つの部分に分かれます。
具体的には
-
-
- 「類聚章段」
- 「随想章段」
- 「回想章段」
-
です。
今回は、「~もの」という表現で始まる「類聚章段」を見ていきます。
そしてその次は、清少納言が宮中で経験した出来事がつづられた「回想章段」に移ります。
すさまじきもの
「すさまじきもの」とは、「興をそがれるもの」という意味です。
つまりは、興が冷めるということで、現代でいうところの「冷めてしまうもの」や「シラけるもの」のことで、清少納言は自分がどんなものに「冷めて」しまうのか「シラけてしまうのか」を言いたいようです。
ここに挙げられている「すさまじきもの」を以下に記します。
- 昼間に吠える犬
- 春の網代
- 3・4月に身に着ける紅梅色の着物
- 牛が亡くなった牛飼い
- 赤ん坊が亡くなった産屋
- 火を起こしていない状態の炭箱や井戸裏
- 博士が続けて女の子を産んだこと
- 目的地へ向かう途中に立ち寄る際にもおもてなしをしないこと
これらの事柄は、現代の人々にとっては馴染みが薄いものもありますが、この時代には様々な不満があったようです。
本文では、「すさまじきもの」として他の話題も取り上げられています。
それは、
- 地方から送られた手紙に贈り物が添えられていないこと
- 自分が丹念に書いた手紙が、相手に届かずに傷んで戻ってくること
このような出来事が挙げられています。
心をこめて記した手紙が、相手に届くこともなく、自分の手元に戻ってきてボロボロだったら、がっかりしますよね。
ちなみに、京都からの手紙は、京都での出来事を知ることができるため、贈り物がなくても素晴らしいものだとも述べられています。
次に、「うつくしきもの」を見ていきます。
うつくしきもの
「うつくしきもの」とは、「かわいらしいもの」という意味です。
かわいらしいものとして、清少納言は以下のものをあげています。
- 瓜に描かれた子どもの顔
- ねずみの鳴きまねをすると、スズメの子がやってくる光景
- 小さな子どもがほこりを見つけて、つまんで大人たちに見せる様子
- 髪を肩の高さでそろえた子どもが、目にかぶさる髪をかきのけずに、首をかしげて何かを見ている様子
- 殿上童が美しく装飾されて歩く様子
- 子どもを抱いて遊ばせているうちに、しがみついたまま眠ったこと
子どもに関連する情景が多く挙げられています。
このような描写を読むと、心が温かくなり、幸せな気持ちになります。
本文では、「うつくしきもの」をさらに列挙しています。
- 人形遊びの道具
- とても小さい蓮の浮き葉
- とても小さい葵
- 着物の丈が長くて袖を紐で結びあげた2歳くらいの子どもが、這って出てきた様子
- 男の子が、子どもらしい声で読書をしている様子
- 鶏のひながやかましく鳴いて、人の前後に立って歩く様子
- 雁のひな
- 瑠璃の壺
「驚くべきもの」よりも多くの事柄が挙げられていますね。
次に、「ありがたきもの」について見ていきましょう。
ありがたきもの
「ありがたきもの」とは「めったにないもの」という意味です。
「ありがたきもの」として挙げられているのは次の通りです。
- 賢い婿を持つ嫁
- 姑に好かれる嫁
- 毛がよく抜ける銀の毛抜き
- 主人の悪口を言わない従者
- 少しの癖もない人
- 少しの欠点もない人
- 宮中で同じ場所に住む人で、最後まで欠点を見せないこと
- 物語を書き写す際に本に墨をつけないこと
- 男女または女同士の間で、固い約束を守り続け、最後まで仲良くしていること
つまり失敗のない人などいない、といいたいのかもしれません。
次は、「うれしきもの」を見ていきましょう。
うれしきもの
「うれしきもの」とは、現代の用法と同じく「嬉しいもの」という意味で使われています。
それでは、その内容を見てみましょう。
- 初めて読む本の第一巻を読んでいたら、続きが見つかった場合
- 誰かが捨てた手紙をつなぎ合わせて、内容が読めた場合
- 不吉な夢を見た後、それがただの夢で、取るに足らないものだと解釈されたこと
- 重要人物が話をしているときに、目が合ったこと
- 遠く離れた大切な人が病気にかかったと聞いたが、後で回復したと知らされたこと
- 好きな人が誰かに褒められたり、高貴な人から褒められたこと
- 自分の歌が評判になり、他人の文章に書かれたこと
- 他人から聞いたことのない古い歌を知ること
以上が「うれしきもの」に関する事柄です。
手紙の例でなくても、漫画などで同様の経験をしたことがあるかもしれません。
これが「うれしきもの」の前半部分です。
次は、「うれしきもの」の後半部分に移ります。
- 良い紙を手に入れたとき
- 立派な人に歌の一節を聞かれ、即座に答えることができたとき
- 急な用事で必要なものを見つけたとき
- 人との競争で勝利したとき、または得意顔を見せられたとき
- 嫌いな人が不幸に遭ったとき
- 着物を仕立ててもらい、美しく仕上がったとき
- 長期間病気で苦しんでいたが、回復の兆しが見えたとき
- 多くの女性たちがいる中で、高位の女性に呼ばれ、彼女の近くで仕える機会を得たとき
以上が後半部分の内容です。
「嫌いな人が不幸に遭ったとき」など、人間らしい側面が見える部分もありますね。
ご覧の通り、「うれしきもの」の章はかなり長いものになっています。
ちなみに、「良い紙を手に入れたとき」とありますが、これはあとで解説いたします「枕草子の名前の由来」にも関係している可能性があります。
にくきもの
「にくきもの」とは、「我慢できないもの」を指します。
以下は、清少納言が「我慢できないもの」として枕草子に記したものの内容です。
- 急用があるときにやってきて、長々と話す客
- 硯に髪が入り、墨に石が混ざっているなど、墨が滑らかでないこと
- 病気の人のために祈祷を行う修行者が、眠たそうな声で祈りを唱えること
- 些細なことで得意げに話す人
- 火桶やいろりの火に手を何度も近づけたり、手のひらのしわを伸ばす人
- 酒を飲んで騒ぐ人や、髭をさす人、他人に杯を勧める人の様子
- 自分の身の上を嘆いたり、聞いたことを得意げに話す人
- 泣いてしまう子どもや、鳴き鳥
- 人目を避けて来た人に気づいて吠える犬
- 隠れて寝ている人がいびきをかくこと
- すだれに頭をぶつける音
- 引き戸を乱暴に開閉すること
- 眠たくているところに蚊が飛び回ること
- きしむ牛車に乗る人(乗っている人も含む)
- 世間話をしているときに邪魔して一人で話し始める人
これらもたくさんありますね。
眠っているときに蚊が近くで飛び回ることや、会話中に割り込む人など、現代でもよく見られる出来事です。
音に関するものは、例えば騒音などが当てはまりますね。
まだ続きがあります。
- 子どもが可愛がってもらったおもちゃを散らかしてしまうこと
- 会いたくない人が来たときに寝たふりをしているのに、召使いが起こそうとすること
- 新入りが先輩を無視して自分から仕切り始めること
- 付き合っている男性が過去の恋人を褒めること
- くしゃみをした後に呪文を唱える人
- ノミが着物の中で跳ね回ったり、犬が一斉に吠えたりすること
- 扉や襖を閉めない人
「寝たふり」の場面は本人の心情がよくわかりますね。
次の章では、「はしたなきもの」について見ていきます。
はしたなきもの
「はしたなきもの」とは「場違いな振る舞いをする人」を指します。
以下はその例です。
- 他の人を呼ぶつもりが、自分の名前を間違えて呼んでしまい、その場に出しゃばってしまうこと
- 何気なく他人の悪口を言っている際に、子どもがそれを聞いており、本人がいるときにその子どもが口にしてしまうこと
- 他人がしみじみと感動して泣いている場面で、自分も同じように感動しているのに涙が出てこないこと
- 喜ばしい出来事を見聞きした際に、まず最初に涙が溢れてしまうこと
これらは現代の人々にもよくある経験でしょう。 清少納言は「にくきもの」で「出しゃばること」を例に挙げていますので、自分が同じ行為をしてしまった場合、どれほど場の雰囲気を乱してしまったか想像できるでしょう。
次の章では、「回想章段」のひとつである「中納言参りたまひて」について見ていきます。
回想章段
回想章段は、宮中で起こった出来事を解説しています。
中納言参りたまひて
「中納言参りたまひて」は『枕草子』の第102段に当たります。
清少納言が仕えていた藤原定子の弟で、乱暴者として有名な藤原隆家についてです。
藤原隆家が姉・定子のところをおとずれ、扇の骨にちょうど良い素晴らしい骨を手に入れたというのです。
隆家は、その立派な骨で扇子をつくるのにちょうどよい紙を求めていたのです。
定子はその骨に興味をもち、どのような骨なのかを尋ねます。
隆家は興奮気味に
「見たこともないような骨なのですよ」
と口にするばかりでした。
それを聞いていた清少納言は、機転をきかせてこういいます。
「それってもしかして、クラゲの骨ではありませんか?」
もちろんふわふわと水に浮くクラゲに骨などありません。
骨のないクラゲの骨であるということで、「見たこともない骨」という隆家の主張にかけて、ユーモアのある返事をしてみせたのでした。
これに隆家は笑いながら、清少納言の発言を
「私が言ったことにしてみんなにも聞かせてやろう」
と、まるで自分が考えだしたユーモアであるかのように言い出したのだとか。
このお話の意味は、つまり隆家が「見たこともない骨」だというので、誰も見たことなどあるはずのない「クラゲの骨」を清少納言が連想したことです。
おそらく清少納言は、頭の良い女性だったのでしょう。
このエピソードは、自慢話に聞こえるかもしれないため、清少納言は当初は秘密にしておきたかったようですが、周囲の要望に応えて記録に残したようです。
次のエピソードは、「宮に初めて参りたるころ」です
宮に初めて参りたるころ
最後にお話するのは、「宮に初めて参りたるころ」の部分です。
清少納言が初めて宮中に奉公するようになった時、御几帳の後ろに控えていると、中宮・藤原定子が、絵などを見せてくれました。
その時、中宮の手が薄紅色の梅の花のように美しく、清少納言はその姿にうっとりとしたのだとか。
中宮との会話が進むうちに、時間が経ってしまったため、中宮は清少納言に早く退出するよう促し、その日の夜に再び来るように、今度は早めに来るようにと伝えました。
帰ると外は雪が降っていました。
昼頃、中宮から何度も呼ばれたので、部屋の主人(清少納言たち女房のリーダー)から、なぜ中宮が読んでいるにも関わらず、部屋にこもって出てこないのかと詰問されます。
そして彼女がいうには、中宮に出仕することを何度も求められるのは、中宮から好意を寄せているからだといわれました。
その心に背くことはいけないことだといわれた清少納言は、結局中宮のもとに参上します。
その時にふと、雪が積もった火焼屋を見て、趣があると感じたというのです。
このエピソードも、清少納言が中宮・藤原定子に好かれていたことを語るような「自慢話」のようにも受け取れます。
しかし、中宮の手の美しさに感動する清少納言の描写からは、彼の繊細な感性が伝わってきます。
次の章では、『枕草子』の漫画版について紹介します!
枕草子とは何か?
枕草子は、清少納言のつぶやき集
枕草子とは何かというと、清少納言が記した日記のようなものです。
人に読ませることを想定して描いているわけではないので、このように文学作品となっていることを知ったら、清少納言は驚くでしょう。
先ほども申しましたが、枕草子は、言ってみれば、1000年前に生きた清少納言の「ツイート」や「ブログ」のようなものです。
枕草子は例えていうなら、ある日発見された「1000年前の女性のX(旧・ツイッター)のつぶやき集」のようなものです。
「私はこういうものが好き」だとか「こういうものが嫌いなの」とか「こういうのって良くないと思う」などなど、その時々に思ったこと感じたことをつぶやいたのが、枕草子です。
「急いでいるときに長々と話しかけてくる人って、本当に嫌い!」
とか
「わたし、春は明け方が一番美しいと思う!
夏は夜が一番きれいでしょ!
秋は夕暮れで、冬は早朝が一番美しいと思う!」
などなど。
読んでいると、千年前の人も現代の人間と、感じることは変わらないものだなと感じます。
そして、1000年前の芸能人のツイートを盗み読んでいるような気持ちになります。
作者は誰?
『枕草子』の作者は清少納言です。
彼女は一条天皇の中宮・藤原定子に女房としてつかえ、その宮廷での生活や身の回りの自然をテーマにして、この作品を書きあげました。
清少納言の洞察力と独特の感性が、この作品を素晴らしいものに仕上げています。
また、彼女と『源氏物語』の作者である紫式部が仲が悪かったという話がありますが、実際には両者が面識を持っていなかったという説もあるようで、真相は不明です。
次に、『枕草子』の書名の由来について探ってみましょう。
枕草子の意味とは?紙をもらったから描いたものだった!
枕草子の名前の由来は、「四季を枕ことばにして記した本」という意味だという説があります。
ただ、『枕草子』の名前の意味について、今でもはっきりしていないのです。。
- ある説では、枕のそばに置いて、自分の思考や記録を書き留めるための手帳や日記、または詩や物語が書かれた本であるとされています。
- 他の説では、自分だけが秘密裏に保管するための貴重な書物であるとされています。
さらに、唐の中国で書かれた『史記』が翻訳されたことを受けて、史記と同じ発音である四季をテーマにした作品を書くことを意図したという説もあります。
また、枕草子の名前の由来となったであろう逸話・エピソードが残されています。
一条天皇の中宮・藤原定子の兄・藤原伊周が、とても高価な紙を献上したことがありました。
これに対して一条天皇は、史記を書き写したといいます。
では藤原定子は、何を書くべきだろうかと、清少納言に相談したところ
「枕にこそは侍らめ」
(一条天皇が史記を記したので、藤原定子さまは、四季を枕詞にして何か記してはいかがでしょうか?)
と返事をしたといいます。すると
「ではお前に与えよう」
とその紙を与えられたとのこと。
だから、枕草子は四季について記されているというのです。
実は「枕」とは何のことなのか、いまだに不明なのですが、「四季を枕ことばにして記された本」という意味だという説が、最近の新説だそうです。(草子とは、本のことです)
『枕草子』が「春はあけぼの」から始まるのも、最初に四季のテーマを提示したかったからだ、という見方もあります。
枕草子を読むならばこれ!おすすめ書籍!
枕草子を読むならば、おすすめの書籍をご紹介いたします。
まず、筆者が心からおすすめするのが
「新編 本日もいとをかし!!枕草子」
です。
清少納言や枕草子の内容などを、四コマ漫画と読みやすく共感できる現代風の文章で描いてくれています。
ものすごくおすすめです!
せめて、サンプルを目にしていただければ、気に入ってくれること間違いないと思います。
とにかくめちゃくちゃ面白いです!
次におすすめしたいのが
「眠れないほど面白い『枕草子』〜みやびな宮廷生活と驚くべき闇〜」
です。
これには「原文」と「現代語訳」のみならず、「超現代語訳」という、現在のおねえさんが今まさに目の前でしゃべっているかのように訳が記されており、とてもわかりやすく面白いです。
この「超現代語訳」が、本当におすすめです!
まとめ
本日の記事をまとめますと
- 枕草子とは、清少納言という宮廷につかえていたキャリアウーマンが記したブログやつぶやきのようなエッセイ集
- 枕草子は、類聚章段・随想章段・回想章段の3段にわかれている
- 枕草子の名前の由来は、「四季を枕ことばにして記した本」という意味だという説がある
以上となります。
それでは、再度『枕草子』を振り返ってみましょう。
この文学作品は、平安時代の文筆家である清少納言によって書かれました。
清少納言は、一条天皇の皇后である中宮定子に仕えていました。
『枕草子』という書名の由来については諸説があり、明確な答えは現在でも存在しません。
『枕草子』の内容は
様々なテーマに関するエッセイを集めた「類聚章段」
日々の生活や自然に関する考察を描いた「随想章段」
中宮定子の周りで起こった出来事を回想する「回想章段」
に分かれています。
特に有名なのは、「春はあけぼの」から始まる部分です。
この部分では、四季ごとの時間帯や風景が詳細に描写されています。
本日は「レキシル」へお越し下さいまして、誠にありがとうございました。
よろしければ、またぜひ当サイトへお越しくださいませ。
ありがとうございました。
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